山になれ
ここ最近、シカが動き出す時期に入りました。
当方では所属するグループでワナを仕掛け、
それを毎日見回り、ワナに掛かっていたら止め刺しをする、
いわゆる、有害鳥獣駆除というものをするのですが、
たまに、一晩の間にシカが死んでしまうことがあります。
激しく暴れたり、ちょっとした斜面で動けなくなってしまったり、
ワイヤーや、木に絡まってしまったりと、
いずれにしても、殺す訳ではありますが、
既に死んでしまっていると、何とも可哀そうな次第なのです。
本当に力不足を感じてしまう。
シカを殺めるときの対話がせめてもの償いなのに、
何もわからずにただ死んでしまう…
有害鳥獣駆除でただ、駆除しただけ。
そして、畑に穴を掘って埋める。
それが罠で死んでしまっている時の状況…
本当に一層の罪悪感を感じます。
すでに死んでしまったシカは、
傷んでしまうので、お肉として利用することが出来ません。
他さんはどうかは知りませんが、当社では、使用しません。
それでも、死んでしまうことが無いように、
ただ、捕獲すればいいという、明らかに死んでしまうような場所は避け、
今では9割以上はそのような事がなくなり、だいぶ改善したのですが、
どうしても、約1割はこのような事が起こってしまう。
当方の所属するグループには、
おそらくは山梨県内では一番罠が上手であろう方がいます。
その方にこの話をしましたところ、
もっと、山を見ろ、もっと山を歩け、
山になれ!!と…
たしかに、この方のワナのかけ方はすごいのです。
何がすごいって、丸見えなんです。
教科書通りならば、
本来、罠というのは穴を掘って、土をかぶせ、
全く見えないように復元して、そこを踏み抜くと、ワイヤーが作動する。
しかし、この方のワナ、本当に丸見えなんです。
丸見えにもかかわらず、里に下りてきたシカたちは踏んでしまう。
確かに多いから。というのもあるかもしれませんが、
それでも、丸見え。
しかし、今日の話で少しわかった気がしました。
その人が山その物であるから、獣たちは気づかない。
僕のレベルではまだまだ到達できませんが、
少しずつ、精進したいと思いました。
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